高齢出産化が進んでいる昨今
同時にダウン症の子どもの出生も増えていくと考えられています。
しかし
2013年。
ダウン症の人やご家族にとって、衝撃的なニュースが駆け巡りました。
「新型出生前診断」の開始です。
妊娠10週以上の母体から20mLの血液を採取するだけで
胎児の染色体異常の有無を
高精度に判別することが可能になったのです。
本来の目的は
早期に異常を発見し
生まれくる小さな命が生きる
“道すじ”を
くっきりと照らしてあげるためのものでした。
しかし、新聞やニュースでは
「検査でダウン症かどうかを判別できる」
という部分のみがクローズアップされ
結果
染色体異常が判明したご家族の
9割以上が
「中絶」を選択。
2年間で223人が中絶し
妊娠を継続した人は
わずか4人でした。
ダウン症の子どもは、成長が とてもゆっくりです。
「歩く」や「言葉を話す」なども
1~2年以上
遅れてできるようになるケースがほとんど。
とはいえ、決して成長しないわけではなく
遅れてやってきた分
できるようになったときの喜びも倍増です。
言い換えれば
まわりの子どもと自分の子どもと
見比べることなく
自分の子どもの成長を
しっかりと、見つめることができます。
真っ直ぐな心の子どもと過ごすうちに、「自分自身が真人間になれた」。
そう語る親御さんも少なくありません。
ある親御さんは、このようにおっしゃいました。
「まわりの人が気を遣って
“自分たち親子なら育ててくれると思って、神様が授けてくれたんだよ”
という話をされますが、全然違うように思うんです。
逆に、神様が、僕たち夫婦の
『弱い面を助ける』
ために、授けてくれたんじゃないかなって。
『ダウン症の子どもを育ててごらん? きっと、考え方が変わるよというメッセージ』だと受け止めています」
人間は誰しも
おぎゃ~という泣き声とともに
無限の可能性を背負った赤ちゃんとして、この世に生まれてきます。
けれども
親はいつしか
「この子は これには向いてない」
「あれは ちょっとできないだろう」
と、その特性を見極めているつもりが
子どもの可能性を、知らず知らず狭めていってしまいます。
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